​《 Daily trip 》

私は反射する物体ごしに映る世界に、鏡とは違った妙なリアルさを感じる事があります。もし映像作品が暗転している間に鑑賞者を写り込ませることができ、尚かつ流れる映像ではなく自身の目と焦点があったのなら見る側も作品の一部に引き込めるのではないかと考えました。

 空間の作りは電車の車両内からの風景をもとにしています。乗り物の車窓から流れていく景色を眺めていると、突然トンネルに入ることがあり、暗くなったガラスに自分とその回りの空間が映ります。ガラスに映る自分と対面をすることで遠ざかっていた意識は身近なものへ移り、一瞬で現実に引き戻される感覚になります。窓に写る自分自身の姿と対面した時、まず髪形を確認し、マスクのズレを確認します。自分自身の表情を確認することもあるでしょう。そしてまわりの状況を確認した後、窓に映る自分から目を逸らすのです。数秒の中で起こるこの確認は非日常の空間に身を置いた後に現実世界の生活に戻る感覚と重なるように思えました。旅行やエンターテイメント空間、極端に言うと美術作品を見終えた後にも似たような事を感じられるのではないかと思っています。

2018   サイズ可変

素材:モニター、アクリル樹脂、タブレット、映像、蠟、ビニール、ナイロン、クリップ

ABS樹脂、ポリエチレン、ジュラコン、ステンレス、真鍮、モーター、アルミニウム、木

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